酒を飲むときは楽しく飲むべきだ

ムカついて飲むとろくな事がない

その日もそうだった

確か彼女に振られちゃったんだよな〜

んで仕事もうまくいかなくてさ〜

もうい〜や給料も入ったし明日のことは考えないで行くとこまで行くぜ〜！

最初からそう思っていたかどうかは覚えてないけど・とにかく２件目の時点でそう思っていた事は確かだ

 

２件目の店を出てからなぜか１件目で飲んでいた屋台に戻る

さっき飲んでた客とは違う客層がはしゃいでる

それに混じってガンガンに飲む俺

｢明日仕事大丈夫〜！？｣
｢あ？いかねー・っていうかもう無理でしょｗ｣

完全にまともな思考は撃沈した俺の中で
全く明日のことなんか考えてない俺が目覚めてる

そしてなぜか場所移動

確か｢バーボンが飲みたくなったから｣という理由でタクシーで１０分ほどの店に移動

もちろん俺一人で

そこでたまたま昔の知人に会いまたまた飲みまくり店移動

この時点で俺はおそらくまともに歩けていない

そりゃそうだ・ボトル３本分ほどのスピリッツ類を空けてるんだから

それでも飲む・飲む・飲む

こういう時に眠ったり吐いたりできる人が本当に羨ましい
だってそれで終わりじゃん・俺はそれでも続いちまうんだよな…
なんで｢自分では｣まだ大丈夫と思いながら飲めてしまうんだろう…

 

事件はその店の中で起こる

別な知人(女性)を見つけた俺は思いっきり絡み始めた

今でも覚えてる

｢お前俺のこと嫌いだろ〜！？そうなんだろ〜！？｣

 

死ね・俺

 

本当に迷惑な奴だ

外見もガラが悪いし・変に腕っぷしもあるために一緒に飲んでいた知人も止めるのを躊躇している

そしてその後一緒に飲んでいた奴らにも絡み始める

まず…蹴る

そして一言

｢お前も蹴り返して来いよコラァ！｣

 

滅べ・俺

 

いきなり蹴られるは怒鳴られるは…本当に嫌な思いをしたことだろう

泥酔の俺と飲んだのが悪い☆

 

そして何とか俺を止めた知人たちがタクシーも止めた

｢そろそろ帰ったほうがいいですよ・いや絶対帰ったほうがいいです｣

心配してくれている…訳じゃない

｢さっさとこいつをどっかに連れてってくれ｣という思いだ

もちろん俺は何も分かってないから｢そんなに気遣ってくれてありがとう｣くらいでタクシーに乗る

その辺は脳が春だ

だがしかし

 

この行為が更なる悲劇を呼ぶ

 

タクシーに乗った俺

もちろん場所を聞かれる

｢お客さんどちらまで？｣
｢○×※■▽だぁ！｣
｢は！？｣
｢何だコラ舐めてんのかオラァ！！｣

 

消えろ・俺

 

いきなり切れて運転席を蹴り上げる俺

普段なら下ろされるだけだが…

そこはなんと交番から５０メートルくらいの場所
歩いても１分でおまわりさんと握手できるような場所だ

タクシーの運転手がそれを知らない訳は無い

｢そういう態度取るんでしたらこっちも行くとこ行きますよ！｣

猛スピードで交番に突っ走る運転手
いきなり警官に囲まれる俺
ヤバイと言う気持ちはあるらしい
ダッシュで逃げる

 

んが

 

そこは裏道も無く広々とした通りしかない

そして俺は酔っている

ヤベェ・こりゃ巻けねーな…どうする！？

 

そんなときに一箇所の裏道を見つけた

やったここだ！ここに入っちまえば何とかやり過ごせるぜ！

 

そして俺が入った裏道

 

人んちの駐車場だった…

 

完全に囲まれる俺
走ったせいで気持ちも悪い
まぁいいや…泥酔を装おう(本格的に泥酔なんだが)
そしてゲロまみれになり寝たフリをするも本気で爆睡

 

大体朝の四時ごろの事だ

 

だがまだ続きがある

 

次に目を覚ましたのは午前９時

警察官が心配そうに顔を覗き込む

場所は…

 

なぜか新宿の歩道

 

あれ？俺が飲んでたのって六本木の近くだぞ！？

大体なんで歩道で！？警察は！？あれ！？何でここまで来たの！？

 

スーツはボロボロ・メガネは無い・靴も裂けてる…でも財布はある

 

｢君うちはどこ？○○？あぁ…財布ある？いくら？それなら帰れるね｣
またもタクシーを止めてもらい乗り込む俺
んん〜？何だか分からない…取り合えず帰路に着いたわけだが…

 

あぁもう昨日の奴等とは飲めないなぁ…

あぁ…もうだめだ俺…

 

そしてタクシーの中で電話が鳴る

 

｢ベティ！？お前今日仕事だって分かってる！？今何時だと思ってんだ！？｣

｢…え〜…か…風邪で…とても立てる状況じゃないので…お休みを頂きたいのですが…｣

｢あ！？しょうがねぇ奴だな！明日はちゃんと来いよ！｣

｢ふゎい…ズビバゼン…｣

 

会社を移って１ヶ月目の給料日翌日の事だった

その晩酒(とタクシー)に使った総額・６万円ちょっと

だから俺はタクシーが苦手だ☆